浮世絵師


"百日紅(上・下巻)" 江戸風俗研究家の故・杉浦日向子氏の著作です。表題は「散れば咲き 咲けば散りして 百日紅」(加賀千代女/江戸時代の女流俳人)にインスパイアされて決めた、と杉浦氏は語っています。百日間もりもりと咲き続け散り続ける百日紅のしたたかさに江戸の浮世絵師がだぶった。と。葛飾北斎(50代)と栄泉、国直、娘のお栄。そして文化分政の江戸の町の暮らしぶり。描くことを構えず、媚びず、量産をしながらもそのレベルは落ちず、好奇心に充ちていてどんどん新しくなっていく。淡々と明るくしたたかで好きです。

0コメント

  • 1000 / 1000